
AI技術の活用例をご紹介~養豚業にAIはどう活かされるか~
AI技術は今、様々な分野において活用方法が考えられています。
車や家電などに活かされるイメージが強いAI技術ですが、実は養豚業においてもAI技術は大いに注目されています。
養豚業において、AI技術はどのように活かされるのでしょうか?
豚の体重計測にAIを活用?
養豚業においても、AI技術は様々な形で活用されています。
その一つが、AIを活用した豚の体重計測です。
いまひとつピンとこない方もいるかもしれませんが、通常であれば豚の体重測定は直接豚を体重計に乗せて行います。
豚は軽すぎても重すぎても出荷する際の等級が落ちてしまい、70キロ~80キロになった時がベストの出荷タイミングとなるため、こまめな体重測定が重要となります。
しかし、豚の体重測定は慣れている人であっても1頭あたり約3分はかかるため、
100頭も飼育していると5時間はかかることになります。
数百頭となると数日がかりでの測定となるため、こまめな体重測定は難しくなってしまうのです。
そこで、活躍するのがAIです。
AIを搭載することで、デバイスをかざしただけで推定体重が判断できるようになります。
実は、短時間で立体物の重さを判断するというのは難しいのですが、それをAI技術が可能としたのです。
さらに、この場合は電波が不安定になることがある豚舎の状況を鑑みて、オフラインでも利用できるようにディープラーニングを利用しなくても体重が測定できるようになっています。
これにより、1頭当たりにかかる時間は約1分という計算になり、大幅な作業時間の軽減につながるのです。
AIが豚の鳴き声を判別する
養豚業でもう一つ、注目されているAI技術があります。
それは、豚の鳴き声から病気にかかった豚を判別するというものです。
豚というのは、呼吸器系の病気になってしまった際には体重が増えにくくなるので、その分出荷が遅れることとなります。
そのため早期の対応が重要となるのですが、その病気を鳴き声から判別するのはベテランであっても容易ではありません。
しかしAI技術によって、その豚の鳴き声をマイクで収集して分析することで、どの区域の豚が病気なのかを判断できるようになるのです。
AIですから24時間の監視体制が可能となるので、早期に病気を発見することができるのです。
この技術は、熊本の県立農業高校とAIベンチャーが共同で実証実験を開始していて、今後多くのデータを集めてその精度を上げていくこととなるでしょう。
まとめ
AI技術というのは最先端の技術ですが、その技術を活用するのは何も最先端の分野に限られているわけではありません。
養豚業という、一見するとAI技術とは無縁に思える分野でも、しっかりとAIの活用方法が考えられているのです。
現在、農業や畜産業などは後継者不足や高齢化に悩まされていますが、AIはそうした分野の救世主となるのではないでしょうか。