
人に寄り添うAI技術、自閉症のケアにAIを活用!
AIには、感情を理解するのは難しいといわれています。
しかし、最近では自閉症児の意図を知ることができるAIが開発され、ケアをするセラピストの助けとなることが期待されています。
AIは、どのように感情を理解していくのでしょうか?
自閉症について
感情をうまく表現できない、強い執着をみせる、相手の感情をうまく読み取れないといった特性を持っている自閉症の人は、コミュニケーション能力が低いといわれています。
自閉症には専門家によるケアが必要とされていて、特に自閉症児にはその特性を理解した療育が重要となるため、セラピストがそのケアを行います。
しかし、セラピストであっても自閉症児の意図を完全に読み取ることは難しいといわれています。
セラピストが自閉症児の気持ちを理解できるのは、おおよそ5割とされているため、中には意思疎通がうまくいかないケースも見受けられます。
しかし今、そのギャップを埋めるためのAIが開発されています。
AIを開発しているのはMITです。
このAIは、個別化されたディープラーニングという珍しいもので、通常のAIは広くデータを集めるところ、このAIでは対象者個々のデータを利用してディープラーニングを行います。
つまり、汎用型のAIではなく、その人に特化したAIが育っていくことになるのです。
なぜかというと、自閉症児というのはその性質が個々にかなり異なっているため、共通するデータというのがあまり役に立たないのです。
そのため、個別のデータを利用して特化したケアを行うことが大切となります。
具体的な方法は?
具体的に、自閉症児に対してAIはどのようなケアを行うのでしょうか?
この時に使われているのが、コンパニオンロボットです。
このロボットを通じて、AIは情報を収集しています。
ロボットは、自閉症児に対して感情表現を行います。
それに対する自閉症児の動きを可視化したデータから、自閉症児がどんな感情を持っているのかを推測していくのです。
その際は、ディープラーニングを使って人の姿勢を可視化する、OpenPoseというライブラリが用いられます。
また、ロボットが感情を明確に表現するため、自閉症児もストレスを受けにくいという利点もあります。
AIは感情を理解するのには向いていないといわれていますが、思い込みがないことや細かい動作も認識するという点では、感情理解に優れているといえるかもしれません。
今後、同様の技術が医療などにも活用される可能性もあるでしょう。
まとめ
AIを利用して、自閉症児へのケアを行う技術が開発されています。
必要なものが広い知識ではなく、個々に対する深い理解ということで、個別の対象に特化したディープラーニングが行われるのです。
これは、珍しいAIの活用方法といえるでしょう。
AIは人間の感情を理解するのに向いていないとも言われているものの、この技術が成功すれば、今後医療の分野などで活用される可能性も高いでしょう。